元転職エージェントのマネジャーが語る|転職エージェントの説明書『デメリット&使用上の注意編』

梅田が語る転職エージェントのデメリット

こんにちは。元転職エージェントの梅田です。前回の記事では、転職エージェントのメリットについて詳しく述べました。転職エージェントは、無料でさまざまな恩恵を受けられるという話です。

梅田が語る転職エージェントのメリット 元転職エージェントのマネジャーが語る|転職エージェントの説明書『メリット編』

ですが一方で、転職エージェントには悪い評判や噂も結構あったりします。あなたも以下のような口コミを目にしたことはないでしょうか?

  • 自分の希望に合わない求人をたくさん紹介された
  • 内定が出たら強くクロージングを受けた
  • 面談の後に全く連絡してこなかった

あえてはっきり言いますが、こういった口コミの内容は事実なものも一定数ありますが、これは一概に転職エージェントだけが悪いわけでなく、使い手側のリテラシーが低いことも一因だったりします。

ですので、この転職エージェントの説明書の後編では、転職エージェントの『デメリットと使用上の注意』について述べたいと思います。

ありきたりな上辺だけの話をしてもしょうがないので、元転職エージェントの立場から、完全に本音で書きました。まずは転職エージェントのデメリットについてです。
この記事を書いた人
転職エージェントの梅田翔五

元転職エージェント

梅田 翔五

Shogo Umeda

プロフィール

上智大学経済学部経営学科を卒業後、大手内資系製薬会社に入社。
その後、転職エージェントとして多くの人のキャリアに向き合い、求職者の転職活動を支援。

現在は、元転職エージェント管理職の知見を生かし、個人でキャリアや転職における支援を行うキャリア支援家として活動。
情報発信やイベント登壇、記事執筆、個人からのご相談などを行っています。
梅田翔五のプロフィールページ

デメリット1|担当のキャリアアドバイザーがイケてない可能性がある

転職エージェントの印象は、はっきり言って担当アドバイザーで全てが決まるため、このアドバイザーがイケてないと上述したような悪い口コミが生まれます。

そしてこのアドバイザーは、正直に言うと運次第なところが大きいです。これは学校の先生に置き換えて考えるとわかりやすいのですが、どんな学校にも『イケてる先生』と『イケてない先生』は必ずいますよね。

誰が担任になるかは生徒達は選べないわけです。また、先生と生徒は相性次第な部分が大きいですが、ここも転職エージェントは同じです。

なので、イケてないアドバイザーに当たってしまった場合は、『その転職エージェントの使用をやめる』、『担当変更を申し出る』など、常に切り替えることを頭の片隅に置いといてください。

ちなみに『イケてない』というのも、いろんな意味があります。

『イケてない』の意味
  • 求人が的外れ
  • 自分の価値観を押し付けてくる
  • 親身に相談に乗ってくれない
  • メールや電話のレスポンスがすごく悪い
  • 明らかに売上目的でやっている感じが伝わってくる
上記のように様々な『イケてない』がありますが、これはあなたの転職エージェントとの向き合い方が悪い可能性もあります。

その点については本記事の後半の『使用上の注意』に記載します。

デメリット2|自分のペースで進めにくい

転職エージェントを使う場合は、あらかじめアドバイザーと今後のスケジュール感を定めることが多いので、良くも悪くも計画的な転職活動になります。というのもアドバイザーも仕事でやっているので、求職者に自由奔放に振る舞われても困るわけです。

『いつまでに何をやりましょう』

この約束が守れていない場合は催促の連絡が来ることも度々ありますし、あまりにも約束が守れない方は転職エージェント側からサービスの終了を告げるケースもあります。

ですので、自分のペースで忙しくない時にゆったり転職活動したいという方にはオススメできません。逆に計画を決めてもらって、誰かにお尻を叩かれた方が頑張れるという方には向いているでしょう。

デメリット3|企業への直接アプローチはできない

転職エージェントを使うということは、基本的に面接や面談以外の全ての企業とのやりとりを担当アドバイザーに任せることを意味します。

ですので、何か企業に確認したいことや言いたいことなどがあっても、直接連絡することは厳禁とされ、あくまでアドバイザーを通すことになります。

そのため直接応募する場合よりも多少のタイムラグが発生したり、伝言ゲーム的になるので、伝えたいことや聞きたいことに齟齬が生まれる可能性があるのはデメリットと言えます。

ここはあくまで捉え方次第です。信用できるアドバイザーが自分よりも上手く企業とやりとりをしてくれると考えれば、メリットとも言えます。

僕が考える転職エージェントのデメリットは、上記3点でした。続いて、転職エージェントの使用上の注意についてです。この注意を守っていただくことで、転職エージェントのメリットを最大限に享受できますので、是非参考にしてみてください。

使用上の注意1|転職意欲は最低限アピールしよう

転職エージェントのアドバイザーは、仕事として転職の支援をしており、彼らにも転職を成功させた人数や成約金額などの目標が課されていることは、理解しておきたいところです。

例えば、あなたが靴屋で働いており、明らかに買う気がないお客さんから店頭の商品について多くの質問をされ、接客に長い時間を拘束されたらいかがでしょうか。

店内にそのお客さんしかいない場合は丁寧に接客できると思いますが、店内に他にも多くのお客さんがいる場合は、もっと購入意欲が高そうなお客さんの接客を優先したいと思います。

キャリアアドバイザーもこれと同様、常に複数人の求職者を担当しているため、転職意欲が低い方や、なかなか行動に移さない方への対応は優先順位を下げざるをえません。

ですので、アドバイザーからしっかりとしたサポートを受けたい場合には、転職意欲が最低限ある旨は必ず伝えましょう。

『転職する気はないのですが、話だけ聞きにきました』というのは、アドバイザーからすると、冷やかしのように感じるのが本音です。

使用上の注意2|全てキャリアアドバイザー任せはやめよう

次のように、全てをアドバイザー任せにする求職者の方が一定数いらっしゃいますが、こういった方々は転職に失敗するケースが多いです。

  • 私に合う求人を紹介してください。
  • 面接では何を言えば良いですか?

人任せでは転職は上手くいきません。転職は自分の人生にとって大きなイベントであり、他の誰でもないあなた自身のことです。アドバイザーはあくまでサポートする立場であることを念頭に置き、自分で考える、自分で調べるなどの努力を怠らないようにしましょう。

特に気をつけたいのは、アドバイザーの言ってることを全て鵜呑みにすることです。アドバイザーがあなたのためを思って言っていることも誤っている場合があります。

万が一、間違った選択をし、入社後に後悔をしても誰も責任を取ってくれません。アドバイザーの言葉を信じるかどうか、その選択の責任もあなたにあることを理解し、自分でも調べ、自分で最終判断することを忘れないでください。

使用上の注意3|キャリアアドバイザーに嘘をつくのはやめよう

転職エージェントをやっていると、経歴詐称や、他企業の選考状況を隠す、年収を高く言うなど、信用できない方にお会いする場面が、実は結構あります。こういった方々は、自分が有利になるために嘘をついてしまうと思うのですが、はっきり言ってその考えは間違っています。

というのも、転職エージェントはどんな人を紹介するかで、企業から信用されるかが決まるため、変な人はなるべく紹介したくなく、サポートに力を入れません。(経歴詐称や年収に関しては、社会保険や源泉徴収で後からバレることも多いですよ)

逆に言うと、信用ができる人にはサポートに力を入れ、転職を成功させてあげたいという気持ちが湧くものです。アドバイザーも1人の人間であることを理解し、誠実な対応を心掛けることで、あなた自身も得をするのです。

使用上の注意4|自分に合った転職エージェントに登録しよう

転職エージェントは、会社ごとにターゲットにしている求職者の層が全く異なります。

20代の若手、30代の高年収層、フリーター、ITエンジニアなど、年齢や職種によってメインのターゲットはさまざまです。

このターゲット層と自分の経歴が全く異なっていると、紹介できる求人がないという理由で登録時にサポートをお断りされてしまうことが多いです。

また、登録ができたとしても紹介してもらえる求人の数は限られます。ですので転職エージェントごとのターゲットを必ず理解してから、登録をしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。2回にわたり、転職エージェントのメリットとデメリット、そして使用上の注意をご紹介いたしました。

転職エージェントは、転職が不慣れな方にとっては、間違いなく有益なサポートを提供してくれるサービスですが、その使い方次第ではあまりメリットを感じることができない可能性もあります。

是非、転職エージェントを上手く使いこなし、あなたの転職を成功させてください。そして、そんな皆さんにこの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
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