【対談:熱血キャリアコーチが語る(1)】転職エージェントを使いこなせ

鈴木利弘

こんにちは。熱血キャリアコーチの鈴木です!

現在49歳で、キャリアに悩む「キャリア迷子」のサポートをメインに取り組んでいます。

鈴木利弘

Twitter(@tossy_Careeeer

鈴木利弘のプロフィール
新卒で読売新聞社に入社し、イベントの企画・運営の仕事を担当した後、36歳でキャリアチェンジしてリクルートに転職。広告の企画営業に挑戦しました。

その後、ベンチャー企業での営業部長中国・上海での幼児教室立ち上げの責任者などを経て、5年前から転職支援の仕事に携わっています。

大手からベンチャーまで、年功序列や実力主義など色々な企業で働く中で、多くのことを経験しましたし、転職でも多くの失敗をしました。

そんな自分を反面教師として、1人でも多くの方に自分らしく働いてほしいと思って、この仕事をしています。

そこで、自らの経験や考えをみなさんにお伝えすることで、少しでも前向きに働いてほしいと思い、本コラムを執筆をしました。

本コラムの概要

今回は、Twitterでみなさんから寄せられた『熱血キャリアコーチに聞いてみたい質問』に答える形で、転職エージェントの活用方法など、私の考えをお伝えしていきます。(全3回)

Twitterで『熱血キャリアコーチに聞きたいこと』を募集したところ、たくさんの質問が集まりました。

今回は記事の内容をわかりやすくするため、転職nendoの佐々木さん(@sasaki_recruit)を相手にした会話形式も挟みつつ、質問にお答えしながら解説していくスタイルで進めていきます。

そもそも転職エージェントの介在価値って?

転職エージェントの佐々木
佐々木

転職nendoで記事を執筆していただきありがとうございます!

本日はよろしくお願いします!

鈴木
鈴木

よろしくお願いします!

転職エージェントの佐々木
佐々木

いきなりの質問ですが、転職エージェントの介在価値は何ですか?

鈴木
鈴木

エージェントを利用したからこそ得られるメリットですね。

それはエージェントの企業規模や特徴で分かれます。

転職エージェントの佐々木
佐々木
ということは、求職者が求める目的によってエージェントを使い分けるのがいいということですね。
鈴木
鈴木
そうです。エージェントを利用する時には、「自分がエージェントに何を求めるのか」を理解すること。これが転職活動の結果を左右するかもしれません。
転職エージェントの佐々木
佐々木

なるほど。エージェントは使い方が重要というですね。

鈴木
鈴木
はい。自分が求めていることを整理せずにとりあえずエージェントを使ってしまうと、混乱して転職が上手く進まなくなってしまいます。
転職エージェントの佐々木
佐々木

では、自分の希望を整理したとして、それに合ったエージェントとはどうすれば出会えますか?

鈴木
鈴木

人間的な相性もありますので、いくつかのエージェントと面談して、提供サービスが自分の求めていることに合っているかを確かめた上で決めた方がいいですね。

転職エージェントの佐々木
佐々木
なるほど。複数のエージェントと面談をした方がいいということですね。
鈴木
鈴木
そうですね。色々なエージェントと話をしてから決めた方が間違いないかな。
転職エージェントの佐々木
佐々木
転職活動の最後の最後で「エージェントと相性が合わなかった」では困るので、序盤に色々と見比べた方がいいですね。

転職エージェントには複数の種類がある

鈴木
鈴木

それでは、会話の中で出てきたエージェントの介在価値について、分類しながら解説していきますね。

転職エージェントは、会社の規模で大手中堅・中小。扱う領域で、総合型特化型に分けられます。

実際には、名前を聞けば多くの人が知っている大手エージェントは総合型なので、次の3つに分類できます。

転職エージェントの種類

◯大手エージェント(総合型)

  • 業界や職種を問わず、大量の求人案件を保有

◯中堅・中小エージェント(特化型)

  • 業界や職種、年齢層など、ある領域に特化した求人案件を扱う
  • 領域に特化している分、求人数は少なめ
  • 情報や知識に精通しているのが特徴
  • 適切なアドバイスをもらいやすい

◯中堅・中小エージェント(総合型)

  • 業界や職種を問わない案件を保有
  • 案件数は大手に比べて見劣りする
  • 丁寧に面談したり、書類作成や面接対策などを行ってもらえる
  • 中には手厚いサポートを提供するエージェントもある
転職エージェントの違い

※会社の特徴による

鈴木
鈴木

それでは、大手エージェント(総合)と中堅・中小エージェント(特化型)について、もう少し詳しく説明していきますね!

大手エージェント(総合型)の使い方

大手エージェントは何と言っても、圧倒的に求人数が多いのがメリットです。

求人を自分で探すことには限界があるので、自分で探しても出会えない求人を紹介してもらえる点は大きな特徴。

一方で、若いキャリアアドバイザーも多く、誰に担当してもらうかによって、提供サービスにばらつきがあるのでアドバイザーの力量を見極めることが必要です。

「面談で詳しく話を聞いてもらえなかった…」「大量の求人を紹介されるだけだった…」などの感想をよく聞くので、キャリアアドバイザーからしっかりとサポートを受けることを希望する場合には、物足りなさを感じるかもしれません。

鈴木利弘

中堅・中小エージェント(特化型)の使い方

特化型エージェントは、IT業界やバックオフィスなど、業界や職種に特化しているので、情報に詳しく、専門知識にも長けていますね。

求人案件もその領域に特化していますので、狙う領域が固まっている場合には、効率的に求人案件を紹介してもらうことが可能です。

また、業界特化型のエージェントには、その業界出身のキャリアアドバイザーが多く在籍していますので、専門知識や業界情報に詳しく、適切なアドバイスをもらえることも多いと思います。

逆に言えば、業界や職種などをまだ絞り切れていない求職者が、1つの特化型エージェントだけに任せてしてしまうと、狭い選択肢の中だけで選考を進めることになるので注意が必要です。

鈴木利弘

中堅・中小エージェント(総合型)の使い方

中小のエージェントは数が多いだけに、提供サービスの内容も質もバラバラですので、こういうものだと定義することができません。

大手の紹介スタイルを真似ている会社もあれば、求職者に向き合って手厚いサポートをする会社もあります。求人数では圧倒的に大手に及ばないデメリットを補うために、それぞれのエージェントが特色を出して運営していると言えます。

ですので、中小のエージェントを利用する場合には、どんなサービスを提供している会社なのかを理解して、自分が求める内容と合った会社を選ぶことが重要です。

転職活動の軸が固まっていない人や、応募書類をどのように作ったらいいか分からない求職者には、中小の中で伴走型でサポートしてくれるエージェントがお勧めです。

全体から見れば数は多くありませんが、向き合いながら転職活動を進めてくれますので、安心して取り組めると思います。

鈴木利弘

転職エージェントの選び方まとめ

エージェントとのマッチングでは、面談前に自己整理が不十分な求職者が有名だからと大手ばかりに行ってしまうと、キャリアの志向や自分の強みなどを整理できないままの状態で転職活動が進みます。

数多くの求人を紹介された結果、どうしたらよいか分からず、消化不良を起こしてしまい、結果的に転職活動が上手くいかなかったというケースも耳にします。

逆に、自分の志向や強みなどが整理ができている人や、実績がしっかりしていて、ひとりで内定を獲得できる自信がある人は、多くの求人に触れた方が選択肢が広がり、キャリアの可能性が広がるので、大手エージェントに相談した方が成功の可能性が高くなると言えますね。

自分の状況や求めるサービスをしっかりと把握した上で、大手と特化型、中小と自分に合ったエージェントを見つけて、転職活動の成功に繋げてください!

転職エージェントと転職サイトの使い分け

転職エージェントの佐々木
佐々木
ありがとうございます!

続いて、転職エージェントと転職サイトの使い分けの方法を教えてください。

鈴木
鈴木
転職サイトとの使い分けは、エージェントの使い分けに近いです。

転職サイトからは求人情報が得られるだけなので、大手のエージェントから求人情報を提供されるのとほぼ同じだと考えるといいですね。

転職エージェントの佐々木
佐々木

ある程度方向性が決まってる人や自分で行動できる人は、転職サイトで求人情報を見て自分で転職活動を進めてもよいということですね。

鈴木
鈴木

それで問題ないと思います。

ただ、転職エージェントと転職サイトはビジネスモデルが違うことも念頭に置くべきです。

人材紹介である転職エージェントは成果報酬型で、求職者が入社したら年収の30%程度の金額が企業からエージェントに支払われます。

転職サイトは求人情報の掲載料金を支払う形で、何人採用しようが料金は変わりません。

人材紹介では採用時にそれなりの金額を支払うことになりますから、お金に余裕がない中小企業やベンチャーはなかなかエージェントを利用できず、転職サイトを選びがちになります。

転職サイトを利用していて、エージェントを使ってない企業は財政面に余裕がないという見方もできますね。絶対ではないですけど…

転職エージェントと転職サイトの違い
転職エージェントの佐々木
佐々木
ビジネスの裏側を知っておくことは大事ですよね。

「自分が企業に入社したらエージェントにこのぐらい報酬が入るからここまでやってくれているんだ」と知っておくことは大切だと思います。

鈴木
鈴木
私も大切だと思います。

また、転職サイトとエージェントの両方を利用している企業は、色々なチャネルから積極的に採用していると考えることもできます。

財政面の安定は入社後の給与水準も含めて、影響を及ぼしますからね。

転職エージェントの佐々木
佐々木
たしかに。中には経営的な理由から無料で掲載できるハローワークでのみ求人募集をしている企業もありますからね。
鈴木
鈴木
そういうことです。

怖いのは、転職活動が上手く進んでいない人が、転職サイトに掲載されていて「アットホームが売りです」「風通しがよい会社です」といった耳障りのよい内容が書いてある人気のない企業に応募して、簡単に転職してしまうことですね。

入社した後で「間違った!」と思って早期退職したいと相談を受けるケースは結構多いと感じています。

まとめ

鈴木
鈴木

今回は、転職エージェントの仕組みや活用方法、転職サイトとの違いについて、私なりの視点でお話しました。

次回は「転職活動での方向性の固め方」や「仕事の選び方」などについてお話する予定です。

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