【体験談】陸上自衛隊を辞めたい…ヒアリングした結果わかる過酷な現状とは

安部さんの実体験をもとに、陸上自衛隊を辞めたい理由は適切なのか、今後のキャリアプランはどうしていくべきなのか考えてみてくださいね！

安部さん。

今日はよろしくお願いします。

早速ですが、陸上自衛隊を辞めたいと思った理由について教えてください！

こちらこそよろしくお願いします！

そうですね…

私が陸上自衛隊を辞めた理由は、大きくわけて以下3点ですね。

詳しく教えてください！

実力主義だと言っておきながら、実は年功序列だったというのが「陸上自衛隊を辞めたい」と感じた理由の1つ目です。

なるほど…

もっと詳しく聞かせていただけますか。

はい。

私は、受験資格を得てから、陸士から陸曹への選抜試験を毎回受験し、 筆記試験においてはいつもトップでした。

しかし、なぜか選ばれるのはいつも先輩士長でした。

えっ！

それはひどいですね。

成績はトップだというのに…

はい…

良い成績なのに、選ばれなくてなんでだろうと不思議に思っていましたよ。

仕方なく何回も受験しているうちに、気づくと、いつの間にか周りは後輩ばかりになっていて、ある日専任曹長から「次はお前の番だな」と言われ、やっとそういうことかと思いました…

つまり、実力とは関係なく、年功序列ということでしょうか…？

そうです…

今まで必死で勉強して、誰よりも先に陸曹になるんだ！と頑張っていた過去の自分がなんだか虚しくなりましたね。

口では実力主義と言っているのに、実際はただの年功序列だったのですから。

自由がなく束縛がひどい…というのも、陸上自衛隊を辞めたいと思った大きな要素ですね…

なるほど…

もっと詳しく教えていただけますか？

はい。

基本的に 駐屯地内での生活となり、それだけでも息苦しいのですが、規律違反等を犯した場合は、罰としての外出禁止になることもあり、自由はなかったです….

なるほど…

それは大変ですね。

普通に用事があって外出したりすることはできないのですか？

あっ、それはできます。

でも、外出した場合は、必ず携帯が繋がるようにしなければならないというルールがあったため、圏外になりやすい地下には入らないようにするなど、いろいろ気を遣いましたね。

なるほど…

いろいろなしがらみがあって、思い切って羽を伸ばすことが、なかなかできなかったのですね。

そうです…

そのうえ、門限や外泊禁止令もあって、下っ端の頃は特に拘束されていましたね。

「社会人なのになんでこんなに縛られるんだ」と不満に思って、辞めていく同僚が多かったです。

お話を聞いて、陸上自衛隊は常に拘束され続けていて、息抜きができない環境であることがわかりました。

退職したくなるのも頷けます…

陸上自衛隊を辞めたいと思った理由の3つ目は、閉鎖空間すぎて心を病んだ…というのものです。

そうだったのですね…

詳しくお話を聞かせていただいてもよろしいでしょうか？

はい…

先ほどもお話させていただきましたが、陸上自衛隊は閉鎖された独特な環境ゆえ、人間関係で一度躓くとドツボにはまってしまう傾向にあります。

人間関係が上手くいかなくなり、逃げ場がなくなった結果、 鬱病になってしまう人も珍しくありません。

その結果、脱走、退職する方は多かったです。

でも、それはまだ良いほうで、最悪の場合は自殺する人までいました…

自殺…ですか？

それはかなり深刻ですね…

はい…

陸上自衛隊は極端な縦社会のため、少しでも上の人に逆らったり、おもしろくない態度をとってしまったりすると、いじめの対象になりやすいんです。

実際、私の周りにもいじめの被害にあっている人はいました。

社会人でそんな露骨ないじめがあるとは、驚きです…

やはり民間企業にはない独特なものを感じますね…

はい…

誰かが自殺したと聞くと、負の連鎖でその後何人かの自殺が続くこともあって…

このままだと、自分もどうにかなってしまうのではないかと不安になり、退職を決意しました。

続いて、陸上自衛隊時代の給料と残業についてこっそり教えてもらうことはできますか…？

もちろん大丈夫です！

前職の年収は400万円くらいで、月の残業時間は20時間くらいでした。

20代で年収400万円は悪くないですね。

残業時間も20時間と少ないですし！

そうですね。

年収面は悪くなかったです。

先ほども話しましたが、年功序列なので、30半ばまで続ければ年収500〜600万円くらいにはなると言われています。

現在は民間企業に転職されたとお聞きしましたが、給与など待遇面はいかがでしょうか？

そうですね…

残念ながら、転職して年収アップすることはなかったですが、好きなおもちゃの販売員をしながら、プライベートは自由を謳歌しているので、非常に満足しています！

それに、今の職場は、売り上げが良いと評価してもらえるので、モチベーションも上がっていますよ！！！

陸上自衛隊時代よりも、のびのびとお仕事されている様子が伝わってきて、こちらまでうれしくなりました！

転職うまくいって良かったですね！

ここまでで紹介したものが、鈴木さんが陸上自衛隊を辞めてしまった理由です！

まとめると以下の通りです。

丁寧にご回答いただき、ありがとうございます！

現在は、陸上自衛隊を辞めて、おもちゃの販売員をされている安部さんですが、あの経験が、今に生きているなと感じる瞬間はありますか？

もちろん沢山ありますよ！

あえて絞って挙げるなら、この3つのスキルが陸上自衛隊で培われたなと思っています。

詳しく教えてください！

陸上自衛隊をしていて一番培われたと思うのは、やはり対人関係スキルですね。

上下関係が厳しいというお話でしたからね…

もっと詳しく教えてください。

はい。

自衛官は、未婚の場合、隊内で生活するため、先輩に嫌われてしまったら地獄の日々の幕開けとなってしまいます…

そのため、どんな時も先輩ファーストで先輩を立てるようにもしていましたね。

また、当たり前のことですが、あいさつをしっかりしたり、先回りして先輩が喜びそうなことをしたりしていました。

たしかに挨拶1つしてくれるかしてくれないかで、その人に対する態度が変わることって多いですよね。

ただ、特定の先輩と仲良くしすぎたりしてしまうと、他の先輩から嫌な顔をされることなどもあったため、万遍なく全員を程よく「褒める」なども徹底していましたね。

誰からも嫌な顔をされないよううまく場を回していくという能力はついたため、営業の接待などは人一倍うまくやれる気がします。

民間企業でも出世するには、上司に気に入られるかどうかにかかっているので、全員から程よく好かれる能力は必須となってきます。

そのため、この能力はきっとどんな職種・業界に行ったとしても通用すると思いますよ！

時間管理能力も、陸上自衛隊で養われた強みだなと感じます。

時間管理能力…興味深いです！

詳しく教えてください。

はい。

自衛隊では、時間を守ることは最低限のマナーであると叩き込まれており、 5分前行動が常識とされていました。

しかし、実際は、5分前と言いつつ、大体10分前には完了していることを求められていたので、早め早めの行動を意識していましたね。

それはすばらしいですね。

時間を守れなかった場合は、何か罰はあったのでしょうか？

はい。

破ったら、腕立てや外出禁止など厳しい罰が待っていたので、時間厳守は染み付きました。

それはなかなか厳しい環境ですね…

ただ、企業で仕事するうえでも、必ず納期があり、納期より早く提出できるとさらに評価が高くなります。

時間厳守は社会人としての基礎中の基礎のスキルであるため、それが若いうちにしっかり身につけることができたのは、かなり羨ましいなと感じました。

あと、状況判断力も、陸上自衛隊で培った強みかと思います！

年に数回実地演習があったのですが、 陸士であっても状況によっては、班を引っ張っていかないといけないことがありました。

困難な状況に出くわした際、「こんな時班長はどうしていたか」「どう行動するのが最善か」と考えているうちに、状況判断力がついていったと思われます。

良い能力ですね！

具体的にどんなことを意識して、状況を判断されていたのでしょうか？

そうですね…

時間のないなか、的確な判断を下すことを求められたので、深く考え込むのではなく、とりあえず行動を起こすことを心がけていました。

すると、次に生かすことができるようになって、よりスピーディーに判断できるようになりましたね。

すばらしいですね。

限られた時間で判断する力は、どんな職場でも求められるスキルだと思います。

今後も陸上自衛隊時代に培った状況判断力を生かしてくださいね。

安部さんは「おもちゃの販売員」として第2のキャリアを歩まれたわけですが、読者の方の中には「陸上自衛隊から転職するのにおすすめの職種って他に何があるんだろう？」と思われた人も多いかと思います。

そこで、この章では、安部さんが「陸上自衛隊で培った！」とおっしゃっていたスキルを充分活かせる仕事を、元転職エージェントである私からお伝えしますね！

私もそれ聞きたかったです！

次、転職するときの参考にさせていただきますね！笑

ぜひぜひ！

わたしがおすすめする「陸上自衛隊からの転職」におすすめの職種は、以下の通りです！

やはり、陸上自衛隊時代養った体力・時間管理能力を活かせるとなると物流業界への転職がおすすめですね。

陸上自衛隊辞めて、物流業界へ転職した同僚がたしかにいました！

体を動かす仕事なので、今までの経験から雇ってもらいやすいらしいという話を知り合いから聞いたことがあります。

おっしゃるとおりです。

それに加えて、物流業界ってそれなりに給料平均が良いっていうのもおすすめする理由の1つなんです。

あ、それは確かに嬉しいですね！

民間の企業で、体力勝負を活かす仕事ってなると、どうしても陸上自衛隊時代よりお給料が下がってしまうような仕事が多くて困ったのを覚えています…

お給料という面だけでなく、将来性という観点でもおすすめですよ！

物流業界は、ネット販売の普及により、かなり需要が高まってきている業界です。

需要が高まる＝給料平均が上がっていく可能性も高いので、転職先の業界が伸びそうかを軸にして仕事を探すのも良いかもしれませんね。

陸上自衛隊からの転職に、おすすめの職種2つ目は「営業職」です。

先ほど安部さんがおっしゃっていた「対人スキル」「時間管理能力」「状況判断力」のすべてを活かすことができる職業ですよ！

たしかに、足で稼ぐ外回りの営業とかだと体力が人一倍あるので、活躍できる気がします。

あと陸上自衛隊経験者は、「精神力」も相当強いので、ノルマが嫌…という人も少ないですしね…

あと、転職市場には、営業職の求人が非常に多く、就職のハードルが比較的低いというのも、おすすめポイントですね。

加えて、経営が安定している老舗メーカーなどの営業職になると、定時に帰れる且つしっかりお給与が貰えちゃうので、高給与を目指したい人におすすめできます。

陸上自衛隊からの転職で、おすすめの職種3つ目は「介護職」です。

なぜなら、この仕事も、陸上自衛隊時代培った「体力」や「対人スキル」が十分生かせる仕事だからです。

また、夜勤も含めれば、ある程度の収入は得られるので、生活に困ることはないのも魅力と言えます

「人の役に立つ仕事」というのがいいですね！

陸上自衛隊の中には、「人に感謝されること」が働くモチベーションだという人も一定数いるので、こういう人たちには介護職の転職いいかもしれないと思いました。

自分が「陸上自衛隊という仕事のどこに惹かれていたのか」を軸にして考えると、次の仕事が決まりやすくなりそうですね！

また少子高齢化の影響もあって、介護職は常に人手不足であり、未経験可の求人が多いのもおすすめポイントと言えます。

未経験可の求人が多いうえに、転職倍率もそこまで高くはないので、是非介護職も視野に入れてみてくださいね！

もし、介護職への転職を検討するなら、一般的に知名度が高いサービスではなく、「介護ワーカー」のような介護特化型のサービスを利用することをおすすめします！

ご回答いただきありがとうございます！

安部さんは現在、めでたく販売員として働くこととなられたのですが、転職しようと決意した時に、なにか行ったことってありますか？

一人で転職活動するのが怖かったので、まずは有名そうなところにいくつかランダムで登録してみました。

ちなみになのですが、その時に、お世話になったサービスの名前を教えていただくことはできますか？

ランダムに登録していて、一番利用していたのは、『リクルートエージェント』と『doda』です。

たしかに、『リクルートエージェント』と『doda』は、業界最大手の2社ですもんね！

たしかにこの2社を利用しておけば、一旦全領域の求人を広く見ることが可能です。

この2社については、私から詳しくお話させていただきますね。

求人数が、リクルートエージェントに負けじと豊富だと感じました。

あと、担当者さんのアドバイスが的確で、販売員の道に進もうと決意できたのは、dodaさんのおかげです！

決して「辞職」に対してマイナスなイメージを持つ必要はありません。

しっかりと自分自身と向き合ったうえで転職すべきだと決断できた場合は、しっかり行動に移すようにしましょうね！

最後に、おすすめの転職エージェントを再度まとめておきます！

安部さん。

本日はありがとうございました！

こちらこそありがとうございました。

この記事を読んでくださった方の人生が、少しでも良くなることを願っております！